話題のRunPodについての覚書です。前半は平易な説明ですが、後半はややエンジニアなど技術者向けの内容になります。
RunPodとローカルPCとどっち!?損益分岐点は?
そもそも高性能なGPUを搭載したWindows PCを持っている方は、ローカルで動かすのが一番簡単で確実です。 ComfyUIのセットアップは「Portable版をダウンロード → ZIP解凍 → 起動」で済みます(Windowsの場合)。運用にかかるのは電気代だけで、ストレージも自分のSSDやHDDを使えるため、実質無料です。
これから導入する場合はどうでしょうか。
損益分岐点などを計算してみると、コスパだけで比較した場合、ローカルPCを採用する利点はあまりありません。たとえば、1ヵ月5,000円使っても年間6万円、5年でも30万円です。RTX 5090搭載のゲーミングPCは60万円以上するため、コスト面では割安です。GPUはレンタルする時代なのかもしれません。
しかし、PC自体は必要なものですし、手持ちのWindows PCの買い替え時期であれば検討するのもありです。つまり、無理に買い替える必要はありませんが、買い替えのタイミングであれば検討する価値はあります。
個人的にはRTX 5090はさすがに高いため、RunPodを利用しますが、PCを買い替えるならRTX 5080か、RTX 5070 Tiを搭載したモデルを選ぶと思います。ハイスペックなPCがあれば、RunPodの課金も減らせます。
一方で、低スペックなPCは作業効率が落ちるため選びません。Stable Diffusionなどの生成AIだけでなく、Photoshopや動画編集ソフト、Unityなどの開発ツールも使うため、ある程度のスペックが必要です。Stable Diffusionを利用した、Windowsでしか使えないソフトウェアがあります。
ただ、最上位のRTX 5090を無理に選ばなくてよい、ということです。RunPodはRTX 5090のような高性能GPUを必要なときだけ使うのに向いているサービスです。
PCは高性能なゲーミングPCがおすすめで、ドスパラなどで購入できます。
Stable DiffusionのゲーミングPC選びはこちらの記事を参考にしてください。
ゲーミングノートパソコン版はこちらの記事です。
AI画像生成で最も重要なのはVRAM(ビデオメモリ)の容量です。VRAM 12GB以上あれば基本的な画像生成は可能で、16GB以上あると多くのモデルを快適に動かせます。
ローカルPCとRunPodとの「併用」という賢い戦略
すべてをローカルPCか、すべてをRunPodか、という二択にする必要はありません。
最もコストパフォーマンスが良いのは、普段の作業は自分のローカルPCで行い、どうしてもVRAMが足りない重い作業のときだけRunPodを使う「併用」戦略です。
たとえば、最近話題のQwen-Image-Layeredなどの超大型モデルはVRAM 24GB以上を推奨しており、一般的なローカルPCでは厳しい場合があります。こうした重い作業を行う数時間だけ、RunPodでA100(80GB VRAM)やH100といった超ハイスペックGPUを一時的に借りる、というやり方です。
| 作業内容 | おすすめ環境 | 理由 |
|---|---|---|
| 通常の画像生成(SD系、Flux等) | ローカルPC | VRAM 12〜16GBで十分動くため |
| LoRA学習 | ローカルPC または RunPod | データ量と学習モデルの規模によるため |
| 超大型モデルの利用 | RunPod | VRAM 24GB以上が必要なため |
| 大量バッチ処理 | RunPod | 複数GPUを一時的に借りて並列で高速処理できるため |
日々の基本作業をローカルで済ませれば、RunPodの利用料を最小限に抑えつつ、最高峰の環境の恩恵も受けられます。
RunPodのストレージ料金が高いから安く使う方法!Cloudflareが最適解?
RunPodのストレージ料金が高いです。
口コミを軽く調べたところ、ストレージはCloudflareを使うのがよさそうでした。ただ、非エンジニアにはやや難易度が高めです。
便利なんですけど、サポートされてないカスタムノードやモデルを使いたい時に自分で入れられないのがなぁ…一方で自由にできるRunpodだとダウンロードしまくったモデルやノードのストレージ維持コストも結構かかる…悩みますね。
— 🏝️Koji Matsunaga@VES(3642) (@sonicpower1970) March 6, 2026
Runpodで100GBのストレージを借りたけれど
— 𝖂𝖎𝖑𝖑𝖔𝖂 (@willowion) December 31, 2025
・Qwen-Image-Edit-2511
・LongCat-Avatar
・Qwen-Image-2512
いずれもFP8+関連モデルで早々に容量パンクdeath🫠
RunPodのストレージ代に対するデポジットの消費量が結構早い
— たすく (@KTaskn) January 22, 2026
Cloudflareをおすすめしている人は比較的多く見られました。
個人的にも以前から開発環境の構成でCloudflareを利用しています。少しわかりにくい部分はありますが、料金面のコスパはとてもよいです。
Runpodはクラウドフレアかs3に必要なものをぶち込んでおけば
— gitpullpull (@gitpullpull) February 17, 2026
ネットワークストレージ課金せずに済む
注意点として、Runpodはストレージが高い。なのでCloudflare R2に全部置いてる。
— F.IKGM🌏イケガミ・ジオリサーチ (@geoign) January 12, 2026
RunPod側のストレージを極力使わず、外部ストレージ(Cloudflare R2など)に退避するのが最適解です。
RunPodのコストの大きな部分を占めるのがストレージ課金です。特にDisk VolumeはPod停止中でも課金が続きます(停止中は$0.20/GB/月)。一方で、Network Volumeも別の課金体系でコストが発生します。これを回避するのが「ストレージを付けない運用」です。
なぜCloudflare R2が有利なのか
| 項目 | Cloudflare R2 | AWS S3 | Google Cloud Storage |
|---|---|---|---|
| ストレージ料金 | $0.015/GB/月 | $0.023/GB/月 | $0.020/GB/月 |
| エグレス(転送)料金 | 無料 | $0.09/GB | $0.12/GB |
| S3互換API | ○ | ○(本家) | × |
- エグレス料金が無料というのが最大のメリットである。AIモデルファイルは数GBになるため、ダウンロード時の転送料金は無視できない。R2ならそれがゼロ。
- S3互換APIなので、既存のツール(
rclone、aws cli等)でそのまま使える。
RunPodとCloudflare R2のコスト比較
| シナリオ | RunPod Disk Volumeを停止中に50GB保持 | R2運用 |
|---|---|---|
| 月額ストレージ | $10(停止中$0.20/GB) | $0.75(R2: $0.015/GB) |
| 手間 | 少ない(そのまま残る) | 毎回転送が必要 |
| データ安全性 | Pod削除で消失リスク | 外部保存で安全 |
※この表は、Disk Volumeを停止中に保持するケースとの比較です。Network Volumeは別料金体系のため、この表には含めていません。
結論: 頻繁に使わないなら、R2運用が圧倒的に安いです。毎日使うヘビーユーザーの場合は、毎回転送する手間を考えると、RunPod側の永続ストレージも選択肢になります。
技術的な難易度はどのくらい?
R2 + RunPodストレージレス運用の難易度はそれほど高くありません。
| 必要スキル | 内容 | 難易度 |
|---|---|---|
| Cloudflare R2のセットアップ | アカウント作成、バケット作成、APIキー取得 | ★★☆☆☆(GUI操作中心) |
| RunPodでのPod起動 | テンプレート選択、GPU選択、デプロイ | ★☆☆☆☆(画面操作のみ) |
| rcloneの設定・転送 | 設定ファイル作成、ダウンロード・アップロード | ★★☆☆☆(コマンドのコピペ) |
プログラマ初心者レベルでも十分対応できます。
ITリテラシーが高い人(プログラマではないが、PCの設定やアプリ導入が得意な人)でも対応可能です。 ただし、以下の点は知っておく必要があります。
- RunPodのPod内でターミナル(黒い画面)にコマンドを貼り付ける操作がある
- 「APIキー」「環境変数」「バケット」といった開発者向けの概念の理解が必要
- エラーが出たとき、英語のメッセージを読む場面がある(翻訳ツールで対処可能)
Cloudflare R2の使い方!セットアップ手順(初回のみ)
RunPodでストレージ代を節約するために、まずCloudflare R2(外部ストレージ)を準備します。この作業は最初の1回だけです。
ステップ1: Cloudflareアカウントを作成する
- Cloudflare公式サイト(https://www.cloudflare.com/)にアクセスする
- トップページの「Start for free」をクリックする
- 画面の案内に従ってアカウントを作成する
説明: Cloudflareの無料アカウント作成ページの根拠。
ステップ2: R2バケット(保存先)を作成する
「バケット」とは、ファイルを入れる「フォルダ」のようなものです。
- Cloudflareダッシュボードにログインする
- 左メニューから「R2 Object Storage」→「Overview」を選ぶ
- 「Create bucket」をクリックする
- バケット名を入力する(例:
comfyui-models) - ロケーションを選ぶ(APACが日本から近い)
- 「Create bucket」をクリックして完了
In the Cloudflare Dashboard, go to R2 object storage.
https://developers.cloudflare.com/r2/get-started/cli/のDashboardタブ
Select Create bucket.
Enter a name for your bucket.
Select a location for your bucket and a default storage class.
Select Create bucket.
ステップ3: APIキーを取得する
RunPodからR2にアクセスするための「鍵」を発行します。
- CloudflareダッシュボードでR2を開く
- 「Manage R2 API tokens」を選ぶ
- 「Create API token」を選ぶ
- 権限は「Object Read & Write」を選び、アクセスさせたいバケットを選択する
- 「Create API Token」を選ぶ
- Access Key ID と Secret Access Key を控える
In the Cloudflare dashboard, go to R2.
https://developers.cloudflare.com/r2/get-started/cli/のDashboardタブ
Select Manage R2 API tokens.
Select Create API token.
Choose Object Read & Write permission and select the buckets you want to access.
Select Create API Token.
Copy the Access Key ID and Secret Access Key. Store these securely — you cannot view the secret again.
`rclone` 設定で使う endpoint は `https://<accountid>.r2.cloudflarestorage.com` の形式です。
RunPod(Stable Diffusion ComfyUI) + R2の使い方
なぜR2を使うの? RunPodのストレージにそのまま置けばいいのでは?
RunPodのストレージはPod停止中でも課金が続く($0.20/GB/月)ため、50GBのモデルを置いておくだけで月$10かかります。R2なら同じ50GBで月$0.75です。使うときだけRunPodにダウンロードし、終わったらPodごと削除すれば、GPUもストレージも課金ゼロになります。
実際の作業の流れはとてもシンプルです。
ステップ1: RunPodでPodを起動する
- RunPodコンソール(https://console.runpod.io/pods)にログインする
- 「+ Deploy」ボタンをクリックする
- GPUを選ぶ(Qwen-Image-LayeredならA100 80GBやRTX 5090を推奨)
- テンプレートは「ComfyUI」を選択する
- 「Deploy On-Demand」をクリックする
- Podが起動するまで待つ(初回は最大30分程度かかる場合がある)
Standard GPUs (RTX 4090, L40, A100, etc.): Use the ComfyUI template.
https://docs.runpod.io/tutorials/pods/comfyui
Blackwell GPUs (RTX 5090, B200): Use the ComfyUI Blackwell Edition template.
翻訳:
- 標準GPU(RTX 4090、L40、A100 など)では ComfyUI テンプレートを使います。
- Blackwell GPU(RTX 5090、B200)では ComfyUI Blackwell Edition テンプレートを使います。
Select On-Demand for flexibility.
https://docs.runpod.io/tutorials/pods/comfyui
Wait for the Pod to fully initialize (up to 30 minutes for initial deployment).
翻訳:
- 柔軟性のため、On-Demand を選択します。
- Pod が完全に初期化されるまで待ちます(初回デプロイでは最大30分かかる場合があります)。
ステップ2: Pod内でrcloneを設定する
Podの「Web Terminal」を開き、rcloneの設定ファイルを作成します。
- RunPodコンソールでPodの「Connect」→「Web Terminal」を開く
- 以下のコマンドを実行して設定ファイルを作成する
mkdir -p ~/.config/rclone
cat > ~/.config/rclone/rclone.conf << 'EOF'
[r2]
type = s3
provider = Cloudflare
access_key_id = ここにAccess Key IDを貼る
secret_access_key = ここにSecret Access Keyを貼る
endpoint = https://<accountid>.r2.cloudflarestorage.com
acl = private
EOF3つの値は、先ほどCloudflareで取得したAPIキー情報に置き換えてください。
[r2]
https://developers.cloudflare.com/r2/examples/rclone/
type = s3
provider = Cloudflare
access_key_id = abc123
secret_access_key = xyz456
endpoint = https://.r2.cloudflarestorage.com
acl = private
補足: Cloudflare R2 を `rclone` で使う設定例です。`access_key_id`、`secret_access_key`、`endpoint` は自分の値に置き換えます。
ステップ3: R2からモデルをダウンロードする
# R2のバケット内容を確認する
rclone ls r2:comfyui-models
# R2からComfyUIのモデルフォルダにダウンロードする
rclone copy r2:comfyui-models/models/ /workspace/ComfyUI/models/ --progress--progressをつけると、ダウンロードの進捗が表示されます。
rclone copy r2:user-uploads/dog.txt .
https://developers.cloudflare.com/r2/examples/rclone/
補足: `rclone copy` で、R2 側のファイルをローカル側へコピーする例です。
ステップ4: ComfyUIにアクセスして作業する
- RunPodコンソールでPodの「Connect」→「HTTP Service [Port 8188]」をクリックする
- ブラウザでComfyUIの画面が開く(URL:
https://[POD_ID]-8188.proxy.runpod.net) - 画像生成の作業を行う
https://[POD_ID]-8188.proxy.runpod.net
https://docs.runpod.io/tutorials/pods/comfyui
補足: ComfyUI にアクセスするときの URL 例です。
ステップ5: 成果物をR2にアップロードする
作業が終わったら、生成した画像やワークフローなどをR2に保存します。
# 生成画像をR2にアップロードする
rclone copy /workspace/ComfyUI/output/ r2:comfyui-models/output/ --progress
# カスタムノードやワークフローもバックアップしたい場合
rclone copy /workspace/ComfyUI/custom_nodes/ r2:comfyui-models/custom_nodes/ --progressrclone copy dog.txt r2:user-uploads/
https://developers.cloudflare.com/r2/examples/rclone/
補足: `rclone copy` で、ローカル側のファイルを R2 へアップロードする例です。
ステップ6: Podを削除する
R2へのアップロードが完了したら、RunPodコンソールでPodの「Stop」→「Terminate」を選択します。Terminateすると、GPU料金もストレージ料金も完全に停止します。
ポイント: 使い終わったらPodを削除するのが節約のコツです。次に使うときは、またPodを立ち上げてステップ2からやり直すだけでOKです。
Qwen-Image-Layeredを使うならRunPodが最適!RTX 5090は使える
レイヤーに分割してPSDファイルにするQwen-Image-Layeredは、VRAM 24GB以上の高性能なスペックが求められます。
Qwen-Image-Layeredをお試し中だけど、
— ひろ (@anrdlove) January 3, 2026
うちのRTX5070Tiではめちゃくちゃ時間かかるな。
fp8版でこれじゃbf16版は無理か?
5分程度で終わるって書いてあったんだけどなー。。。
Qwen-Image-Layered、ComfyUIで動かせました!
— 金のニワトリ (@gosrum) December 20, 2025
こっちだとサイズ調整が簡単にできるのが良いですね。
1152×2016の画像をそのままのサイズで出力した場合、RTX5090でも500秒ぐらいかかりました😇
ただしサイズそのままで量子化もていないため、品質はかなり良いです。 pic.twitter.com/kotd9ohz9K
一般的なローカルPC(RTX 4060 Ti: 16GB等)では厳しいため、RunPodでA100(80GB)やRTX 5090(32GB)などを借りるのが現実的です。
https://t.co/JoldtwPCBe gpu prices are falling again! RTX5090 costs $0.89/h. pic.twitter.com/bV6FNASzOq
— SiggiS (@siggis13) August 5, 2025
RTX5090搭載PCとか普通に買うと60万円以上するPCも
— あやのんサブ垢 (@Ayanong_AIart) July 18, 2025
runpodなら1時間100円(0.69$/hr)で使えるのでrunpod楽しいですよ!
RunPodでQwen Image Layeredを使う2倍速動画(所要5分)もあります。
RunPod(@runpod)でQwen Image Layeredを使う2倍速動画(所要5分) pic.twitter.com/wgQfRrgmpb
— とよふく🎍Toyofuku (@Yeq6X) January 3, 2026


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